こんにちは。
今回はちょっと昔話をしてみる。
鉄も非鉄も安く、中国もまだ動いていない時代。
その時勤めていた「鉄屋」での出来事。
ある工場で解体があった。
その解体屋から連絡があり引き取りの車が廻った。
重量は約5〜6トンの「発電機」だった。
引き取りに行った車は「高アオリ」の平ボディー。
クレーンで吊り上げて積んだそうだ。
ところが車が戻ってきたのは「夕方6時過ぎ」。
その車は翌日から引き取りで使うことが決まっていたので、
どうしても「積み荷」を降ろさないといけない。
さあ困った。
問題はクレーンを手配できない事。
それを「発電機」と知らなかったこと。
そしてこの荷物が来るという事を、担当者が
全く分かっていなかったこと。
(僕は担当外)
そこで当時の工場長は何とかした。
どうやったかというと「天井クレーン」の玉を外して、
さらにユンボを横付けして「ガッシリ」と掴んで、
クレーンと合わせて何とか降ろした。
単純に「スクラップ」にするのだったら問題ない。
でも「発電機」が入ってくることを担当者が
全く知らなかったことが実は大問題。
吊り上げて、トラックを逃がした後ユンボとリフトで
隅に寄せてその日は終了。
問題は翌日。
中古機械の輸出をやっていた専門家(日本人)が
それを見に来た。
そして現物を見て絶句。
「なんで壊した!!」と。
「綺麗に降ろしてあれば500万円で買えた。」と。
それを聞いた当時の上司は激怒。
「どうしてこうなった!!」と。
怒ろうが怒鳴ろうがどうしようもない。
現場は何にも聞いていなかったから。
当時は鉄も非鉄もメチャクチャ安い時代。
モーターもスケール引きで、鉄くずに混ぜていた時代。
今の様に「中古品輸出」などやっている人も
物凄く少ない時代。
だから「スクラップ屋」に「中古品で売る」などという
発想はなかった。
いまだったら全然違うだろうが、問題はそのものの「価値」を
気づける体質の会社かどうか?
仕事終わればフィリピンパブに入り浸っている人達では
期待する方が無理。
本当に「安全」とか信じられないほど気にしない時代。
やはり「スクラップダウン」は最終手段。
だから初めて「浜屋」さんにお邪魔して、そのやり方を
見学した時に衝撃を受けた。
まず「リユース」で売るというより、「使ってもらう」
ことを最重要課題にしていること。
そして集荷する人たちにも、その価値を維持することが
「利益」にも繋がっていると理解させてること。
ただ「スクラップ程いい商売は無い」という社長もいた。
どれほど乱暴に扱ってもいい。
鉄・アルミ・ステンなどは「雨」に濡れようが、
錆が浮かぼうが「絶対に売れる」から良い、と。
でもそれは地方の有力業者で、そこしか持って行くところ
なくて、価格も低くできた時代。
先日友人社長が「中華系ヤード業者」はまったく利益が
でていないのに、なんでやっているのか?と。
皆やる時は「競争」がある事を忘れており、
実際に参入して初めて分かるから。
結局日本で集荷して「中国が高く買ってくれる」という
状況でないと難しい。
あとは少々グレーな事をやらないと
利益などでない。
昔のように何でもかんでもいい加減にやって
いい時代ではないから。
やはりスクラップの金属価値だけではなく、
そのものの「価値」を知っておかないといけない
時代になった。
地方自治体が「メルカリ」を使う時代です。

まあアメリカと同様に「大手」が小さなところを
纏める時代になるかもしれません。
なんにしても「差別化」できるか?です。
またスクラップの延長上の「何か?」を作るには
知恵と知識、時代を見ないといけないですね。
「困っていること」の中に答えがありそうです。
ではでは・・
スクラップマスター南
yukimm425@gmail.com