2018年07月04日

7月6日より始まる「アメリカ対中国」

7月6日よりいよいよ始まる米中貿易戦争勃発か〜


アメリカが中国の鉄鋼とアルミニウムに、それぞれ25%、

10%を上乗せする輸入関税をいよいよ発動する。


断片的には判っていたが、全体像がよく解らなかった。


今回ジャーナリストの「嶌 信彦」氏が非常に解りやすい

レポートを出していたので、それを転載します。


ざらっとでも目を通すことをお勧めします。

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米中貿易戦争勃発か
〜米国の貿易赤字8000億ドル〜
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 トランプ流の「ディール(取引)」をテコにした貿易攻勢は
世界から反発を買い、かえってアメリカを「孤立化」に
追いやっている。
とりわけGDP第1位と第2位のアメリカと中国の対立は、
世界を貿易戦争に巻き込みかねないギリギリの瀬戸際に
やってきた。

 アメリカは、中国の知的財産権侵害や中国政府当局による
対中投資した外国企業の技術移転強要などに対して不満を表明。
中国に対する制裁関税第一弾を7月6日に発動すると発表した。

具体的には、赤字の大きな要因となっている鉄鋼と
アルミニウムに、それぞれ25%と10%を上乗せする
輸入制限措置をとる内容だった。

輸入制限は、外国製品が増えアメリカの関連産業が
弱体化すると国防に悪影響が出るためと主張。
アメリカ通商拡大法232条に基づく措置だと指摘している。

ただ、トランプ大統領は、アメリカの貿易赤字は
約8000億ドル(約88兆円)に上っているので、
中国だけでなく他の国にも高関税をかけて輸入を抑制。
貿易赤字を縮小したいと考えていた。

 このため、中国だけでなくカナダやドイツなどEU諸国、
NAFTA加盟国(北米自由貿易協定)にも「アメリカ第一」を
掲げて保護主義的政策をとると宣言した。

その結果サミット(G7)参加国から猛反発が出て、
サミットは「G6対アメリカ」と分裂状況になっているのが実情だ。

■韓国は対米自主規制で制裁回避へ
 アメリカが貿易黒字になっている相手国はオーストラリアの
146億ドル、アルゼンチンの47億ドル、ブラジルの76億ドル
などで、これらの国には輸入制限を適用せず除外することを
明らかにしている。

また、韓国は229億ドルの赤字となっているが、
鉄鋼の対米輸出を自主的に規制すると譲歩しているので
輸入制限措置は取らない方針だ。

 アメリカの貿易赤字が最も多いのは、中国で3752億ドルと
アメリカの赤字の約半分を占めている。
その他ではEU全体で1514億ドル、メキシコ711億ドル、
日本688億ドル、カナダ175億ドルの赤字──などとなっている。

このため、アメリカの貿易赤字国に対し様々な対抗関税をかけ、
赤字縮小に努めたいとしているわけだ。

■EU、メキシコなどは対抗措置へ
 これに対しEUやカナダは、既に一部のアメリカ製品に
対抗関税をかけると表明し、メキシコも対抗関税を
発動しているのが実情だ。

アメリカはカナダの素早い対抗関税措置に怒り、
サミットの宣言にも署名しないと突っ張っているわけだ。

■中国は対抗措置を発動
 こうしたアメリカの姿勢に対し、中国は既に豚肉や
ワインなどのアメリカ産品に対し対抗関税を発動。

真っ向から衝突している。またEUも対抗関税を検討すると
表明する一方で摩擦緩和に向けた通商協議を呼びかけている。

態度がはっきりしないのは日本で、アメリカに適用除外を
懇願している。しかし、「日本を特別対応するわけにはいかない」
とするアメリカに対し、摩擦緩和の通商協議を呼びかけて
いるものの、今のところアメリカには日本を特別扱いする気は
無いのが実情だ。

アメリカは中国に対しアルミ、鉄鋼以外の製品にも制裁関税を
かけるとしているので、貿易大国の第1位のアメリカと
2位の中国が正面衝突する可能性も強まっている。

 かつて世界は、アメリカが自国産業保護のため関税を
引き上げたことをきっかけに各国も報復に走り、
その結果“ブロック経済”化が進み、結局第二次世界大戦の
引き金になったという苦い歴史を持つ。

その二の舞とならぬようにするため、
世界ではIMF(国際通貨基金)・GATT(関税・貿易一般協定)
体制を創設し、自由貿易体制の維持や為替の切下げ
競争を二度と繰り返さない制度を作りあげたのだ。

■保護主義から第二次大戦への歴史
 今回のアメリカの“アメリカ第一主義”はその思想を
真っ向から否定するもので、世界は“貿易戦争”に突入する
危機に直面しているとみることもできる。

特に中国は第二次大戦前の貿易戦争の経験や
IMF・GATT体制実現の経緯などに疎く、実際に体験していないため
、力をつけてきた“昇り龍”の勢いにまかせてアメリカと
ぶつかると世界の貿易が混乱に陥る危険性も高いのだ。

 ただアメリカが力に任せてアメリカ第一主義で突っ走り
、報復関税を受けるとなると、実際に損害を被るのは
高い製品を買わざるを得なくなるアメリカの鉄鋼・
アルミ産業関連の業界と消費者だ。

実際、アメリカの関連業界からは、“関税・為替戦争”に
なることを懸念する声もあがっている。

米中が今回、制裁対象にしたのは各500億ドル規模で
輸入全体からみれば対象は数%程度なので経済への影響は
限定的とみられるが、制裁対象になった業界の痛手は大きい。

その後トランプ大統領は中国から輸入する2000億ドル相当の
製品に対し、10%の追加関税措置を検討するとも言っている。
ただ、現在の世界貿易は生産や流通が世界規模に拡大しているので、
影響を受ける国は米中だけでなく、
また金融市場などにも混乱がおきそうだ。

■当面は500億ドル規模、輸入の数%程度か
 米中はまさに貿易戦争突入の瀬戸際にあり、
知財を巡る制裁関税は7月6日にアメリカが発動する予定といい、
中国も同日に報復措置を取るというから、ここ2週間余の
米中の話合いと妥協が成るかどうかが第一関門だ。

自動車や部品の輸入制限は11月までに決定するといわれているが、
トランプ大統領が得意とする“ディール(取引外交)”の
真価も問われているといえよう。

米中両国の制裁関税の主な対象品目
ブログには上記の比較一覧表を掲載しておりますので
ご興味をお持ちの方は合わせて参照ください。
http://nobuhiko-shima.hatenablog.com/entry/20180703
【TSR情報 2018年6月29日】

※参考情報:直近で発生した貿易摩擦関連の出来事
・欧州連合(EU)は6月22日に、ハーレーダビッドソンの
二輪車やバーボンウイスキーなど28億ユーロ(約3600億円)
相当の製品に報復関税を発動した。

6月29日に閉幕したEU首脳会議でも米国の輸入制限を
「正当化できない」との認識を確認し、対抗姿勢を鮮明にした。

なお、報復関税の対象になった米オートバイ
大手ハーレーダビッドソンは6月25日、関税負担を避けるため
オートバイ生産の一部を米国から国外に移転すると発表している。

・カナダ政府は6月29日に米国が課した鉄鋼と
アルミニウムの関税に対し、7月1日に報復関税を発動すると発表。

鉄鋼やアルミ、食品など166億カナダドル(約1兆4千億円)
相当の製品が対象。

中国や欧州連合(EU)などが既に報復措置を実施しているが、
規模としてはカナダが最大。

・2日付けの日経新聞によると、日中印や東南アジア諸国連合
(ASEAN)など16カ国は1日、東アジア地域包括的経済連携
(RCEP)閣僚会合を都内で開催。

今後、7月中旬に開くタイでの首席交渉官会合で関税撤廃や
自由化のルールを議論。

8月末には再び閣僚会合をシンガポールで開き、
政治的判断に委ねる項目を整理し「パッケージ」として
一覧にまとめ、11月にも開く首脳会談での合意につなげる狙い。

ただ、中国は保護主義的な米トランプ政権への対抗などから
RCEPの合意に前向きになっているとみられる。

ただ、RCEPの交渉はすでに5年を過ぎ、
個別項目では各国の対立が残り解決すべき問題は多い。


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非常に入り組んでいます。

昔は戦争の引き金になったような事案が並んでおり、

中国の世界戦略にもつながっております。

当然原料にも関わりますね。



今日はこれで・・・・


スクラップマスター南

yukimm425@gmail.com
posted by スクラップマスター at 08:10| アメリカ対中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする