日本においても地震や大雨災害後の「水」に苦しむ場合が
非常に多い。
今年は特に暑い、最高気温の更新もあったが、
まだ更新されるかもしれないほど「熱い」。
ただ、世界ではもっと「熱く」て困っている場所が多い。
アメリカやヨーロッパでは、熱波による乾燥でいたる所で
森林火災が起こっている。
オーストラリアでは異常干ばつで畑や、家畜にも多大な影響が
出ている。
かと思えば局地的には大雨で川が氾濫して洪水がおき、
雨の降る所と降らない所が極端に分かれている。
「異常気象」と一言で済まされない。
特に「水」。
飲料水と生活水、農業関係の水の確保が急務だ。
油化装置のメーカーは「海水などを真水化する装置」も
製作している。(国際特許申請済)
その資料を数回に分けて紹介します。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(水に赤インキを入れた物と、それを装置にかけた後の水)
◆海水を真水化する方法
極度の水不足に苦しむ人達は、2025年までに世界で
18億人に達する。この予想を受け、海水を淡水化する
脱塩技術が注目を集めている。
しかし、水危機対策の切り札として強みを発揮するには、
当局や専門家が先頭に立ち、高コストと非効率性を改善する
必要がある。
そして脱塩ウランとの年間真水生産量は、2016年には
3800万立方メートルを超えると予想される。
現在主流の脱塩プラントが採用する逆浸透膜法は、海水に
圧力をかけて極薄の樹脂半透膜で濾過する。
大きめの分子やイオン(塩類など)はフィルターにかかり、
真水だけが濾し出される仕組みである。
この方法は、海水の蒸留など従来の脱塩技術と比べ大幅に
エネルギー効率が高い。しかし標準的なプラントでは、
システムを稼働する電力の生産に運転コストの40%が
割かれる場合もある。
◆細菌対策は?
逆浸透膜は1960年代の発明当初と比べて改良が進み、
塩類を除去する性能が高まっている。
細菌対策も進んでいるが「膜の目詰まり」問題が完全に
解消されたわけではない。
「細菌で膜が目詰まりし、次第に水の通りが悪くなる」と
アメリカ、イエール大学の環境エンジニアで論文共著者の
メナヘム・エリメレク氏は説明する。
細菌は塩素で除去できるが、現在の逆浸透膜は塩素に
とても弱く、性能が急激に劣化するという。
「塩素耐性の高い逆浸透膜の開発に注力すべきだ」と
エリメレク氏は訴えている。
◆濃塩水処分
脱塩プラントから排出される濃塩水の処分も頭の痛い問題である。
沿岸のプラントなら下水処理水を利用して濃度を薄めて
安全に海に放出できるが、内陸部の場合は問題が複雑化すると
コーエン氏は言う。
「地域の規制により、河川、ため池などの地表水や下水道に
排出できないケースもある。地下排水も考えられるが、
非常にコストが高く禁止地域もある」。
逆浸透技術への期待は大きいが、各国で水不足の”特効薬”と
認識される危険性をイエール大学のエリメレク氏は指摘する。
多くの場合、合理的な国土計画や従来型の水保全の方が
安上がりであり、革新性には欠けるが最も有効な対策に
なりうるという。
「別の方法も利用できるなら、脱塩プラントだけに
頼らない方が良い」。
◎淡水化技術
◆多段フラッシュ方式
海水を熱して蒸発(フラッシュ)させ、再び冷やして真水にする。
つまり海水を蒸留して淡水を作り出す方式である。
熱効率をよくするため減圧蒸留されている。実用プラントでは
多数の減圧室を組み合わせているので、多段フラッシュ方式と
呼ばれている。
生成清水の塩分濃度は低く5ppm未満程度である。
大量の淡水を作り出すことができ、海水の品質を問わないが、
熱効率が大変悪く、多量のエネルギーを投入する必要がある。
この方式はエネルギー資源に余裕のある中東の産油国に多く
採用されており、多くの国々では飲用水のほとんどを
これら造水プラントで生産している。
熱源としては発電所の復水や油井からあげってくる
随伴ガスや精製時に発生するオフガスが利用され、冷却には
やはり海水が使用される。このため海水淡水化プラントは
製油所や火力発電所に併設される場合が多い。
◆逆浸透法
海水に圧力をかけて逆浸透膜(RO膜)を呼ばれる濾過膜の
一種に通し、海水の塩分を濃縮して捨て、淡水を濾し出す
方式である。
フラッシュ法よりエネルギー効率に優れている反面、RO膜が
海水中の微生物や析出物で目詰まりしないよう入念に前処理
する必要があること、整備にコストがかかること等の難点がある。
生成清水の塩分濃度は蒸留を行うフラッシュ法に比較して
若干高く100ppm未満である。1990年代までは比較的小規模
なものが多かった。しかし最近の日量1万トンを超える大型
プラントは、世界的にみても大部分がこの方式で建設されてる。
RO膜は元の海水の塩分濃度が高いほど、また得ようとする
淡水の塩分濃度が低いほど高い圧力をかけて濾過する必要が
あるが、例えば平均的な塩分3.5%の海水から日本の
飲料水基準に適合する塩分0.01%の淡水を得る場合、
2005年時点で最低55気圧程度が必要である。
このためRO膜は圧力に耐えるよう、以下のいずれかの方法で
作られる。
1.パスタ程度の太さで中が空洞の糸状に成型し、外側から
内側へ濾過する中空糸膜式
2.1枚の濾過膜を、強度を保つため丈夫なメッシュ状の
サポートと重ね合わせて袋状に閉じ、これをロールケーキ状
に巻いてその断面方向から加圧するスパイラル膜式。
加圧にはタービンポンプやフランジャーポンプなどの
高圧ポンプを使用。

ここで登場したのが「シーコラル方式」です。
”シーコラル方式”とは、海水や汚泥水などの水分子を
シーコラル触媒(上図)を使用して吸い上げ、水分子だけを
放出する触媒特性をより効率的に行うため、ファン送風
による気化熱を発生させ、水分子だけを別のシーコラル触媒に
吸着させて真水化を行う仕組みです。
抽出された真水は、ミネラル分(ヒ素なども含む)は
全く含まれない状態となります。
多段フラッシュ方式の多大な熱量は必要なく、逆浸透膜方式の
回収比率(海水約5%/汚泥水油水約10%)に比べ気化水分の
回収は100%に近い回収率をシーコラル方式は確保しています。
またRO膜類のメンテナンス作業も解消され、高い維持費効率を
獲得することが出来ます。
次回につづきます。
ではでは・・・
スクラップマスター南
問い合わせ
yukimm425@gmail.com
posted by スクラップマスター at 05:45|
真水化技術
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